気ままブログ

短編小説もどきを書いてます。
すぐ読み終わる感じで書いてます。
基本的に2話構成。

壊れた人形

『壊れた人形は、いらない。』

あなたの言葉が耳に刺さる。


あの日から笑わなくなった。

笑顔を浮かべ、相手の欲しがる言動をするただの人形。

それが私。

何が壊れてるのかも私には分からない。

ただわかるのはあなたがいないこと。


寂しいとか辛いとか

楽しいとか嬉しいとか

腹立たしいとか妬ましいとか

好きとか嫌いとか

もう私には何もわからない。

だって壊れた人形なんだから。

操り人形。

君は笑わない。

笑顔を浮かべてはいるが

笑ってはいない。

いつからそんなことを考えたのだろう。


君を見てると、切なくなる。

せめて、俺の前だけでも笑ってほしい。

いつからか、君は笑うようになった。

だけど、いつも悲しそうにしてる。


あれから月日は流れ君は笑わなくなった。笑顔を浮かべるが一切笑わない。

まるで壊れた人形だ。

笑顔を浮かべ、望まれた言動を行う人形。

もう僕に君はいらない。

約束。

『桃色の花が咲く頃、また会おう。』


約束をしてから幾度となく季節を重ねてきた。

未だ約束は果たせぬまま。

何度も何度も足を運び、あなたを待ち続けた。

来るはずもないあなたを。

あと何度私はこの場所へ足を運べばいいのだろう。

次で最後、次で最後、と毎回考える。


あれからまた幾度となく季節を重ねた。

手や顔にはその分想いが刻まれ、重たい足取りでその場所へ向かう。

繰り返される日々と違うのはあなたがいる。そんな気がすることだけ。

ようやく、あなたに会うことが出来る。

遅くなってごめんなさい。

あなたに会いたかった。


綺麗な桃色の花の下、私はあなたに寄り添い深い眠りについた。